算数の授業開き

算数

対象学年:3年生~6年生

はじめまして。算数授業が大好きなゆっけです。

今回、はじめての記事として選んだのは…そう。「授業開き」についてです。特に、「算数の授業開き」について話をしたいと思います。みなさんは初めての子どもたちとの授業1回目、何をしますか。「教科書やノートを配る」「教科書を開いて1つ目の単元の学習に入る」という方が多いでしょうか。僕は、1回目の授業開きはご存じの方が多いかもしれませんが「ガッタンピー」という授業をします。え?ガッタンピーって何?と思った方、ぜひこのブログを読んで子どもたちと笑顔になってください。

それでは、ガッタンピーの授業についてご紹介します。

数字を決めてガッタンピー

黒板に「数字を決めてガッタンピーをしよう」と板書します。この時点で教室はざわざわしていると思いますがそのまま進みます。

T2けたのすきな数字を決めてください。でも、「ぞろ目」と「1の位が0」はだめです。

C決まりました。

Tそれでは、その数字をまずは「ガッタン」してください。

Cえ?

Cガッタン?

C何?

そんなざわざわしている教室をぜひ先生は笑顔で見ていてあげてください。そんな中、ある子が

C先生、ガッタンというのは数字を足すんですか?

と聞くかもしれませんね。その子は全く分からない状況なのに自分なりに何かをしようとしたんです。

Tあぁ、すてきだなぁ。ガッタンで「足し算」を想像したんだね。うんうん。でもね、今日は違うんだ。

分からないことに出会ったときに自分で何かをしようとしたことを思い切り価値づけてあげてください。もしかすると、

C先生、ガッタンって何?わからないよ。

と聞いてくる子もいるかもしれません。そんな時は、

Tあぁ、すごいな。自分からわからないことをきちんと聞けるなんて本当にすごい

と、質問できたことを価値づけましょう。

さて、ガッタンというのは「1の位と10の位を交換する」ことです。

もし自分が最初に決めた数字が26だったら62になります。

2つの数をピーしよう

さて、今度は子どもたちはどんな反応をするでしょうか。先ほどの価値づけに反応して

C先生、今度は何かを持ってくるのかな?

という子がいるかもしれません。また、

C先生、ピーもわかならないよ。教えて。

というかもしれません。どちらも今後一緒に授業をしていくうえでとても大切な力です。

たくさんほめてあげてください。

さて、ピーというのは、2つの数の大きな方から小さな方を引くことです。

先ほど決めた、26と62ですと、62−26となります。62-26=36ですね。

子どもたちにも式をたくさん発表させてあげてください。

子どもたちの式を発表

83−38=45

92−29=63

31−13=18

84−48=36

面白いことを見つけたよ

いくつか式を書いていくと、子どもたちは

Cうわぁすごい!

Cえ?え?え?

なんて言い出すと思います。何があったのかを聞くと、

C面白いことを発見した!なんていうはずです。

そこで、すぐに発表をさせてはいけません。

Tへぇ、何かを発見したんだね。いい笑顔してる。その発見したときどんな気持ちだった?

と、気持ちを聞いてみましょう。すると、

Cすごい!と思った。 とか  Cびっくりした!

というでしょう。そこで、

Tそうやって心が動くことを「感動」っていうんだよ。その感動をまだ発見できてない人も感じられるようにちょっとだけヒントを出してほしいんだけど。

なんていうと、その子は前に来てひっ算の答えの部分を指さすかもしれません。

するとクラスの多くの子が

Cあ、ほんとだ!

ときっと気が付くはずです。ブログを読んでくださっている方はお気づきになりましたか。そうです。答えがすべて9の段になっています。でもそこでまだ先生は引っ張りましょう。

Tあぁ、ほんとだ。たまたま9の段だらけになるなんてすごいねぇ。

などととぼけてあげるといいかもしれませんね。するときっと、

Cたまたまじゃないよ。

C他の数字でもなってるよ。

C他の数字でも試してみようよ。

ときっと子どもたちは自分から問題に向き合ってくるはずです。

子どもたちはたくさんの具体例を調べこの決まりが確実なものであることを見つけていきます。

他の決まりも見つけた!

そんなやり取りをしていると、

C他の決まりも見つけた!

なんていう子が出てくるかもしれません。僕が以前授業をしたときは、

63−36=27という式の「6」と「3」を指さし、先ほどの話題で「9の段」という言葉が板書されていますのでそこを指さしてから「27」をまるで囲う子がいました。

何を伝えたいかわかりますか。そう、6−3の答えである3と9をかければ答えが「27」になるというのです。そこからは…そう。すぐに食いつかずに

Tへぇ。すごいけど、きっとたまたまこの式の時だけそうなったんだね。

なんていってあげましょう。もう子供たちは自分たちでどんどん式を作り計算をしていくはずです。

この問題をちょっと変えるとしたら

この授業開きのポイントはこれからの1年間算数を一緒に創っていくうえで価値づけておきたい場面がたくさん出てくることです。それが、この最後の

Tこの問題をちょこっと変えるとしたらどうする?

という問いです。「問いを広げる」場面ですね。ある子は、

C何でそうなるのか調べたい。

というかもしれません。またある子は

C2桁ではなく3桁でもやってみたい。

というかもしれませんね。こうやって問いを広げられたことを大いに価値づけてあげましょう。

それでも、次の日に試してくる子は1人かもしれません。しかし、その1人を価値づけ広げることで確実に問いを広げ自ら探求し続ける子が増えていくはずです。

おわりに

さて、いかがだったでしょうか。長い文章となってしまいましたがここまで読んでいただいてありがとうございます。このガッタンピーは筑波大学付属小学校で教鞭をふるってらっしゃった正木考昌先生から教えていただいたものです。もう何度もしている授業ですが、子供たちによって少しずつ盛り上がるポイントが変わってきます。

しかし、すべてに共通するのは子どもたちが「笑顔」になるということ。

せっかくですから、みんなで算数を通して「笑顔」になって算数の授業開きをしてみませんか。

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