リーダーシップを発揮するためのH理論

学級経営

トーマス・F・ストローのH理論ってご存じですか。「状況適応型リーダーシップ論」というものを提唱した人で、子どもや同僚を接するときに自分の得意なスタイルで相手にアプローチをするのではなく、相手に合わせてスタイルを使い分けるという考え方だそうです。

今日はそんなH理論についての話です。

H理論は、

A独裁

B父権

C対話

D民主

E放任

の5段階で表されます。

A.独裁

「独裁」と聞くとどのようなイメージを持たれるでしょうか。ブリタニカ国際国語辞典によれば、

「少数者に権力が集中し,大衆の政治的自由が抑圧されている統治状態。」

と書かれています。あまり良いイメージはありません。

ここでいう独裁は相手の声にあまり耳を傾けないという点では似ているかもしれませんが、決して悪いことではありません。

人によっては自分で意思決定をして行動を起こすことに苦手意識を持っている人がいます。そんな人には、

「まずは私のいった通りにやってみな。」

とレールを引いてあげることで最初の一歩を踏み出すことができます。

少し自身のついたところで次の段階へ進めてあげればよいのです。

B.父権

この段階では「相手の話は聞く」が「意思決定はリーダーが行う」という段階です。

話は聞いてほしいけれどまだ自信はないのでどのように進めるかの決定はリーダーにしてほしいという相手に有効です。

「〇〇はしたいんだね。それもいいけれど、とりあえずは△△してごらん。」

と話を聞きながらもリーダーシップをとってあげるとよいでしょう。

C.対話

この段階ではリーダーと相手の意思決定のレベルが対等になります。

自分のことは自分で決めたいが、行ったことにたいする評価はきっちりとしてほしいという相手に有効です。

D.民主

この段階ではリーダーの意見もグループの中で1意見となります。リーダーも集団の一部、というイメージです。

斜に構えていたり、やる気は満々なのに方向がずれてしまうタイプの相手に「みんなで決めたからね・・・」と話すことなども有効です。

E.放任

最後は放任という段階です。

意思決定はクラス・個人に任されます。相手の成長を一番促進するのが放任といえます。

ただ、気をつけなければいけないのは放任と放棄は全く違うということです。

放任は失敗したときの責任はリーダーが持ち、手柄は相手が持ちます。

放棄は失敗したときの責任を相手に持たせ、手柄はリーダーが持ちます。

手間をかけ、状況を見て「自分でできた!」と相手に思わせる必要がありどの段階よりもしっかりと相手をみておく必要があります。

一番簡単なようで一番手間と時間のかかるリーダーシップの取り方といえます。

まとめ

さて、どのリーダーシップの取り方がベストなのでしょうか。

正解は、「相手によってかえる」ということです。個別最適化されたリーダーシップの取り方が必要とされているわけです。

自分は今まであまり相手によってリーダーシップの取り方を変化させてこなかったように思います。

ぜひ相手のタイプを見極めてリーダーシップをとり成長を促進していきましょう!

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