突然ですが皆さんは目の前の子どもたちがどんな風に育ってほしいと思っていますか。
そんなことを急に聞かれても…という方も多いのではないでしょうか。
今日は、そんな子どもたちの修了式(卒業式)での姿をイメージする、「見通し」について書いていきます。
始業式の前にしておくこと
さて、ぼくは学年主任をまかされるようになってから必ずしていることがあります。
それは、学年の先生方と子どもたちと出会う前の会議で
「修了式の時にどんな子に育っていてほしいかを10個出し合う」
ということです。会議の前日に宿題として書いておいてもらいます。子供と同じで急に言われると困ってしまう先生もいますからね。(最近は若い先生が多いので)
見通しがあるからしかけられる
ここでは本当に具体的なことでいいと思っています。具体的なイメージをもつからこそ、子どもたちがそのように育つようしかけていけます。
例えば、ぼくの大切にしていることの1つに「すき間時間を活用できる人」というものがあります。
「すき間時間の活用」ができるようになってほしいと思ったら子どもたちに、
「(専科の)〇〇先生が教室にいらっしゃるのにいつも少し時間がかかるけど、その間ってどんなことをして待つといいと思う?」
とか
「テストが終わったあと、時間があったらどうする?」
などと子どもたちと先に話題にしておくことができます。読書をする、ということも多いかもしれませんが高学年になると「自律学習をする」「教科書を読む」「前回の復習をする」など色々な方法が出てきます。
大切なことは、子どもと一緒に考えるということです。
見通しがあるから待つことができる
しかけるのではなく、逆に待つということもあります。
同じ具体例で話をしていきます
すき間時間をうまく活用できる小学生なんてほとんどいません。何もしかけていない場合、立ち歩いて友達と話す、教室の中で遊ぶ、という状況になります。そして怒られる。
しかし、すき間時間を活用できる小学生はほとんどいない、という前提のもとあえてその状況を待つことはできますね。見通しがあると自然とこちらもイライラしません。むしろ、
「さぁきたきた!この状況、待ってました♪」
と楽しむことさえできます。そして、叱ったり怒ったりするのではなくどのように時間をすごすべきかを子どもたちと考えましょう。
見通しがあるから光る子が見える
また、見通しがあるからこそ喧騒の中にも光る子が見えます。
がやがやしている中でも、とってもすてきな行動をしている子がいます。
見通しがあるからこそそんな光る子を探そうという落ち着いた気持ちに私たちもなれます。
さてここからは今までにだしてきたどんな子に育ってほしいかのリストを書いていきたいと思います。
修了式にこんな姿になっていてほしい 生活編
- 自分から挨拶ができる
- 明るい笑顔
- 提出物を自分から出す
- バスに静かに乗ることができる
- 後輩に席を譲ることができる
- 体を動かして遊ぶ
- 係の仕事を活発に行える
- 当番の仕事をわすれない
- やるべきことはやる
- 仕事じゃない仕事をみつけることができる
- すき間時間の活用ができる
- 自然と「ありがとう」と言える
- 一言「ごめん」と言える
- 前向きに取り組める
- 男女関係なく関わりあえる
- みんなで同じ方向を向ける
- 時間をまもることができる
- 朝会をしずかに待てる
- 友達を傷つける言葉がない
- 仲間をひとりにしない
- 友達を大切にできる
- 自分で仕事をみつけることができる
- 掃除をきちんとできる
- 給食を時間内にたべることができる
- 並んだあとは静かにできる
- 自分の失敗を素直に認めることができる
- 周りの支えに感謝できる
- 友達に一声かけられる
- 先生に一声かけられる
- 当番が自ら声をかける
- 忘れ物を朝のうちに報告できる
- 他学年と遊ぶことができる
- 悩みをためこまない
- 注意するときにすぐに怒らず「何かあったの?」と聞ける
- 全校児童の前でどうどうと話ができる
- 先生がいないところで協力することができる
- 相手に伝わる言葉ではなす
- 自分だけで満足しない
- 自分の得にならないことでも行動できる
- 自分の行動を客観的にみる第三の目を持つ
- 相手が必要としていることが何かを考えらえる
- ルール・約束を守る
- 誰かが話すときは静かに聞ける
- 人やものを大切にする
- 学校に毎日たのしくこられる
- 自分で考えることができる
- てきぱき動くことができる
- 「〇〇学校の子ども」として見られている意識をもつ
- 「〇年生」として見られている意識をもつ。
- 困っている友達を助けられる
修了式にこんな姿になっていてほしい 学習編
- ものごとに「なぜ?」と思える
- 自分のノートに考えを書ける
- 授業準備を授業前にできる
- 自分の考えをペアに話せる
- 自分の考えをグループで話せる
- 自分の考えをクラスに話せる
- 友達の声に耳を傾けることができる
- 相手意識を持てる
- 問いかけながら発表することができる
- 黒板を使って発表することができる
- 図を使って発表することができる
- 疑問を放っておかない
- 学びを自分でひろげることができる
- できないことをかくさない
- 「わからない」と言える
- 「わからない」友達を助けられる
- 良いヒントをだすことができる
- 自ら宿題に取り組める
- 友達の意見に感動できる
- 日常を〇〇の目で見ることができる
- 担任・専科で裏表のない子
- 目標に向かって努力することができる
- 点数に一喜一憂せずに努力し成長できる
- 工夫してノートを書くことができる
- 友達の意見を聞き、自分の意見を進化させられる
- 自分の考えをたくさん話せる
- 理由や根拠をもって主張できる
- 色々な意見が出るのをたのしめる
- 誰とペアになっても交流できる
- 聞く・話すを6:4にできる
- 実物にこだわって学ぶ
- 自分の学びを振り返るくせをつける
- 自分にとって必要な学びを見つけられるようになる
- 自分にとって必要な学びをあきらめずに続ける心をもつ
- 中学校でも通用する「自己学習力」をつける
- テストに向けて自分で学ぶ姿勢を身につける
- テスト後に学ぶことができる
- 丁寧な字が書ける
- 「どうしてそうしようと思ったの?」と友達に聞くことができる
- 友達の良い考えをまねすることができる
おわりに
いかがだったでしょうか。
このリストはまだまだ更新されていきます。1つでも共感できるものがあったら是非子どもたちを見るときの視点にしていただければ嬉しいです。
また、「こんな視点で見てるよ」というものがありましたら教えていただけるとうれしいです。
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